2025.08.12
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家族での旅

10歳の娘と歩いた、初めての山

佐々木 真由美

夏休み、10歳になる娘と一緒に参加したのは、八方池を目指す初心者向けのコースだった。本格的な登山は初めての娘のために、できるだけ無理のないコースを選んだつもりだったけれど、それでも少し不安はあった。

出発してすぐ、娘の足取りは思いのほか軽かった。道端に咲く小さな花を見つけては立ち止まり、蝶が飛ぶのを追いかけては笑い声をあげる。正直、最初は「早く進まないと」と内心焦っていた自分がいた。

笑顔で山道を歩く親子連れ
笑顔で山道を歩く親子連れ

でも、ガイドの中村さんが「全然急がなくて大丈夫ですよ。お子さんのペースが、今日の正解です」と言ってくれたとき、肩の力がすっと抜けた気がした。それからは、娘が立ち止まるたびに、私も一緒にしゃがんで同じものを見るようになった。

八方池に着いたとき、娘は水面に映る山を見て「お魚みたい」と不思議な感想を言った。登ったことよりも、道中で見つけた花や蝶、虫たちのことを、娘は何度も何度も話してくれた。急がず、ただ一緒に歩くことの楽しさを、娘から教えてもらったような一日だった。

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